In Conversation with Meaningful Stone
Interview

In Conversation with Meaningful Stone

彼女の旅路とインスピレーション、そしてサウンドを形づくる感情について

Interview

In Conversation with Meaningful Stone

彼女の旅路とインスピレーション、そしてサウンドを形づくる感情について

In Conversation with Meaningful Stone

「空からそのまま落ちてきたみたいに感じるメロディーがあるんです」

そう語るのは、韓国出身のインディーロック・ミュージシャン Meaningful Stone(キム・ジミン)。

十代の頃、クラスメイトと小さなバンドを組んだことをきっかけに、音楽の世界に深く踏み込んでいった。父に頼んで手に入れたはじめてのアコースティックギター。深夜にひとり、部屋で書き留めた言葉と、声を潜めて歌った曲。当時は誰にも聴かれることを想定していなかったその音が、いまの彼女を形づくる確かな土台になっている。

今回が東京での初ライブ。とはいえ日本は初めてではなく、ずっと好きで何度も訪れてきた場所。東京に来るのはおよそ17年ぶり。変化した景色を見たいという思いと、日本のリスナーと直接出会える喜びが胸に広がっていた。

ステージで、国や言語を超えた繋がりが生まれるその瞬間は、特別な高揚感がある。なぜ書き続け、歌い続け、声を届け続けてきたのか——その理由を思い出させてくれるからだ。

ソングライターにとって、自分の言葉を届けることは大切だ。同時に、感情と直感に導かれるメロディーが必要不可欠だと彼女は話す。「自分の気持ちに耳を澄ましながら物語を置いていき、本当にしっくりくるメロディーを見つけるまで、いくつもの実験を重ねる」そのプロセスは、理性と本能のあいだを行き来するようなものだという。

ここからは、彼女自身の言葉で、音楽に向き合う姿勢や、忘れられない記憶について語ってもらった。

音楽は、ステージ以外のあなたにどんな影響を与えてきましたか?

私は長い間、ただ音楽を深く愛する普通の女の子でした。今でも、自由な時間のほとんどを音楽に費やしていると思います。音楽は、私が記憶している限りずっと、癒しの存在でした。一番近くにいる友達のようでもあり、叶わない恋のようでもあり、そして、ときに私自身を映してくれる鏡でもありました。

ミュージシャンであることの、最も好きなところは? そして難しいところは?

いちばん嬉しいのは、ずっと憧れていたミュージシャンたちと同じ場所に立てているということです。言葉は多くなくても、理解し合えるような繋がりを感じられる。まるで、彼らも私を知ってくれているような感覚です。

一方で難しいのは、「世界を少し外側から見続けること」。クリエイターとして、慣れすぎてはいけない部分があります。常に新鮮な視点を保ち、自分の偏りを崩し、問い続けること。それは簡単なことではありません。

ライブで生まれた印象的な瞬間はありますか?

ファンが全身で歌ってくれると、胸がいっぱいになります。とくに、母国語ではない人たちが歌ってくれたときは、言葉以上の力を感じてしまいます。今回の日本のライブでもそうでしたし、2年前のフィリピンの公演でも同じことが起きました。私がファンに伝えたいメッセージは、とてもシンプルです。愛を感じてほしい。少しの間、心配事を手放して、音楽に身を委ねてほしい。そんな小さな幸福の積み重ねが、人生を豊かにしてくれると思っています。

目まぐるしいスピードで動き続ける時代。私たちは「責任のリズム」に囚われ、周りの世界を感じる余裕を失ってしまうことがある。だからこそ、好奇心を保ち、視点を磨き、仕事だけではなく、自分のために学ぶ時間を持ちたい。心にも深呼吸できる余白が必要だ。そしてそれは、ただゆっくりと風とリズムを感じ、言葉では表しきれない感情を音楽に託すだけのことかもしれない。

11月28日、Meaningful Stone は初のライブアルバムをリリースする。今年2月に韓国で行われた公演を収録した作品だ。あの夜の温度、幸福な余韻が、いまも彼女の中で息づいている。それをもう一度、リスナーと分かち合いたい——そんな願いが詰まっている。

Meaningful Stone

本名:キム・ジミン。韓国のインディーロック・ミュージシャン/ソングライター。情緒豊かな歌詞と生々しい響きを持つサウンドを特徴とする。2020年発表のデビュー作『A Call from My Dream』により、韓国大衆音楽賞で新人賞を受賞。2ndアルバム『Angel Interview』(2024年)では、記憶と感情、そしてサウンドの交差点を探りながら、より親密で力強い世界を展開する。

Photos by Patrick Carlo Bangit

Edited by Ena Cuizon