Looking Closer: ニコラ・アントナッツォが語る写真と好奇心
Story

Looking Closer: ニコラ・アントナッツォが語る写真と好奇心

ブルックリンを拠点とするドキュメンタリーフォトグラファーによる考察

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Looking Closer: ニコラ・アントナッツォが語る写真と好奇心

ブルックリンを拠点とするドキュメンタリーフォトグラファーによる考察

Looking Closer: ニコラ・アントナッツォが語る写真と好奇心

Adam Benedictoが企画した「Tokyo Streets X」は、WPÜで開催されたイベントで、国内外のフォトグラファー、アーティスト、クリエイターが集まりました。本展示は、多様な視点と才能を紹介する場として機能し、都市と都市をつなぐ活気あるクリエイティブカルチャーを浮かび上がらせました。

参加フォトグラファーの一人が、現在ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するイタリア出身のドキュメンタリーフォトグラファー、ニコラ・アントナッツォです。私たちは彼の作品に強く惹かれると同時に、そのレンズの向こうにいる人物にも興味を持ちました。何千キロも離れた場所から自らの視点を届けに来た人と出会うことは、ただ通り過ぎるにはあまりにも意味のある機会に感じられたからです。

ニコラ・アントナッツォが初めてカメラを手にしてから、約10年が経ちました。それでも彼の写真に対する情熱や魅了される感覚は、始めた頃とほとんど変わっていません。最初は単なる好奇心から始まり、安価なカメラを購入し、やがてロンドンでライブを行うバンドを撮影するためのフォトパスに応募するなど、徐々に本格的なものへと発展していきました。その初期の一歩がきっかけとなり、彼の写真はプレス素材として使用されるようになり、最終的にはイギリスのレーベルと契約するまでに至ります。

「アートの面では、写真からクラシックアートまで、探求できることが本当にたくさんある。常に何かが起きていて、毎回それを再発見しているような感覚なんだ。」

彼のインスピレーションは、さまざまな経験の積み重ねから生まれています。ニューヨークでの生活は、日々無数の瞬間に出会う機会を与えてくれます。人と人との関わりや、絶えず動き続ける都市の中で人々を観察すること。そのすべてが作品に影響を与えています。また、彼のバックグラウンドも重要な要素です。整った構図、繊細なディテール、そしてすべてを語らずに物語を感じさせる瞬間。ニューヨークは文化や言語、視点が交差し続ける場所であり、純粋な好奇心を持って人と向き合えば、多くの場合相手は心を開いてくれると彼は言います。そこには単なる「写真」以上の、体験しなければ本当には理解できない瞬間があります。

写真への向き合い方の変化について尋ねると、彼は「今では直感がより大きな役割を果たしている」と語ります。もともと人物を撮ることに惹かれていた彼ですが、今は「完璧な一枚」を追い求めることに固執していません。その代わりに、より直感に頼り、何かを伝える力を持った瞬間を捉えることを重視しています。時間とともに、無作為に撮るスタイルから、被写体を丁寧に観察し、本当に心に響くものを捉える、より意図的なアプローチへと変化していきました。

「写真は、世界を違う角度から見るためのツールだと思う。よく見てみれば、美しさはどこにでもあることに気づくはず。」

振り返れば、ニコラの旅はとてもシンプルなところから始まっています。一本のメール、そして純粋な好奇心。それがやがて、世界中の人々に共有される作品へとつながっていきました。

「そのメールを送ってみてほしい。もしできるならカメラを買ってみて。誰かに写真を撮らせてほしいと声をかけてみるんだ。思っている以上に、多くの人は“ノー”ではなく“イエス”と言ってくれるよ。」

私たちは、まだ準備が整っていないと感じる前に、すでに重要な一歩を踏み出しているのかもしれません。即興性は思いがけない場所へと導いてくれます。ニコラのストーリーは、「まず始めること」こそが最も大切であることを思い出させてくれます。

NICOLA ANTONAZZO

ニコラ・アントナッツォは、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するドキュメンタリーおよびポートレートフォトグラファー。彼の作品は、真正性と人間の親密な瞬間に焦点を当てている。ニューヨークおよびロサンゼルスのMorrison Hotel Galleryにて作品が取り扱われており、「The Guardian」「Billboard」「The Independent」などの媒体にも掲載されている。また、サンフランシスコのDe Young Museumでも展示されている。

Photos by Nicola Antonazzo

Edited by Ena Cuizon